BMWのE39もだいぶ古い車になりました。
クーラント漏れの修理ご依頼を多数いただいております。
漏れの初期段階、漏れ具合が少ないうちに修理すれば、その後も普通に走りますが、
オーバーヒートしてエンストなどした場合、エンジン内部に致命的なダメージを受ける事があります。
今回入庫したE39の528i ですが、オーバーヒートして、エンストするまで気がつかなかったそうです。
おそらく走行中に急激なクーラント漏れを起こしたのでしょう。
オーバーヒートによりシリンダーヘッドが歪み、ガスケットが破損、エンジン外側に激しいオイル漏れ、
エンジン内部ではクーラント(冷却水)がエンジンオイルに混入していました。
これはエンジンをまるごと取り替えるような修理になってしまいます。
E39 最終モデルの程度の良い中古車が買えるくらいの金額ですから、
お客様も諦めて、廃車する事になりました。
解体屋さんに引き渡して解体証明を出してもらい、管轄の陸運局で永久抹消登録をします。
車検が残っている場合や年度の途中の場合は、手続きにより重量税、自動車税などの税金は
残りの月数分が還付(返金)されます。
E39 の最終モデルは平成16年(2004年)なので、一番新しいものでも10年は経過しています。
そして、ラジエターやサブタンクの樹脂部分が経年劣化で割れる事も広く知られています。
漏れの無いうちに、あるいは、小規模な漏れが発覚した時に、ラジエター、ウォーターポンプ、
サーモ、センサー、ホースと冷却系のパーツ交換を実施すれば心配はなくなりますが、
全てのパーツ交換となると格安パーツを使っても20万円近くになりますから、
ユーザー様もなかなか決心が付かないようです。